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「鉄の結束」で三菱自動車を救えるか?

先日、日産自動車三菱自動車株の売却の可能性について記載しました。今回は、売却するとなった場合、どこが救うのかについて記載したいと思います。

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1. 現在の三菱自動車の株主

2. 三菱グループによる救済の可能性

3. 外資系企業による買収

 

1. 現在の三菱自動車の株主

現在の三菱自動車の大株主は、日産自動車で34%を保有しています。次に三菱商事で20%となっています。この2社で50%を超えています。その他、三菱グループでは、三菱重工が1.4%、三菱UFJ銀行が0.99%となっています。

株主構成 | 投資家情報 | MITSUBISHI MOTORS

 

2. 三菱グループによる救済の可能性

三菱グループによる三菱自動車の救済は、2000年と2004年に発覚したリコール隠し、2016年に発覚した燃費偽装があります。この時は、三菱商事三菱重工三菱UFJ銀行が支援しています。

三菱自動車は、元々三菱重工から独立しています。2004年のリコール隠しでは、三菱重工が音頭を取り、救済にあたりましたが、ビジネス上、ほとんど関係がなかったため、2018年には、保有株式を三菱商事に売却しています。三菱商事も亡くなられた益子前社長の後、後任を派遣しないと表明しており、三菱UFJ銀行を除いては、三菱自動車と距離を取るようになりました。

またこのコロナの中で、業績が低迷する三菱重工は、国産初のジェット機「スペースジェット(MRJ)」の開発を凍結しました。三菱商事三菱自動車の大株主であることから三菱自動車の業績に足を引っ張られ、業界首位の座を伊藤忠商事に明け渡す可能性が高くなっています。

現在、イージス艦の受注や風力発電の開発により、三菱重工株は上昇、三菱商事ウォーレン・バフェット氏が5%の株式を保有したとの報道から上昇していますが、三菱自動車への新たな出資は、自社の収益を下げる結果しかもたらさないので、株主に対する説明ができず、新たな出資はかなり厳しいと思います。

一方、三菱UFJ銀行は、金融機関8行による協調融資3,000億円をお膳立てしていますので、単独での追加融資は同様に厳しいかと思います。

 

3. 外資系企業による買収

三菱自動車の一番の問題点は、消費者がイメージできる車がないということではないでしょうか。昔は、パジェロがありましたが、今はありませんので、イメージできる車が思いつかないというのが現状かと思います。

カーラインアップ | 三菱自動車

しかしながら東南アジアでは、日本で販売していないピックアップトラック、「TRITON」などを販売しており、実際、2019年度の営業利益はグローバルで128億円だったのに対し、ASEANでは636億円もの利益をだしています。。タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム4カ国でのシェアは10.6%で、日米欧よりも高いシェアを持っています。

New Mitsubishi Triton | Mitsubishi Motors (Thailand)

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もし、三菱自動車に出資を行うのであれば、この東南アジアのシャアを取り込みたい企業になると思いますが、日系の自動車メーカーは、既にタイなどで工場を設立し、生産を行っていることから可能性は、低いと思います。また主要な外資自動車メーカーもコロナによる余力がないため厳しいと思います。

そうなると消去法で中国の自動車メーカーという案が浮上してきます。中国の自動車メーカーは、日本車の牙城である東南アジアのマーケットに参入するチャンスとなりますので、可能性は十分にあると思いますが、菅政権は、日産自動車とホンダの合併話が出たように、外資に国産自動車メーカーを売却することは否定的な感じがします。

いずれにしても三菱グループでの救済か、それ以外かという選択肢になりそうなので、三菱グループ日産自動車の株価を注視したいと思います。

 

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