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経済が良くないのに、株価が上がる理由とは?

新型コロナウイルスの世界的な流行の影響で、世界的に株安となり、日経平均も2020年3月19日には1万6,552円まで下がりました。その後、各国の金融緩和などにより次第に回復し、またワクチン開発の進展に期待が高まり、また各国による景気対策も続くとの見通しから2020年12月7日には取引時間内に2万6,894円を付け、1991年4月以来約29年ぶりの高値を更新しました。ニューヨーク株式市場ダウ平均株価も同様で、2020年12月31日には、3万606ドル48セントで、史上最高値をつけました。

今回は、株価が上がる要因と今後の見通しについて記載したいと思います。

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1. なぜ株価は上がるのか?

2. インフレの懸念

3.どこまで続く株価上昇?

 

1. なぜ株価は上がるのか?

IMFによると世界経済の2020年の成長率はマイナス4.4%になると予想されています。一方で、2021年はワクチンの普及などで、成長率は、5.2%になると予想されています。

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では、経済の景気は決して良くないにもかかわらず、なぜ株価は、上昇しているのでしょうか?

これは、新型コロナウィルスの対策費用として通貨供給量が、増えているのが関係しています。日銀によるとの12月のM2(現金、預金など)は、対前年比プラス9.2%、銀行貸し出しもプラス6.2%となっています。

通貨供給量指針である、M1, M2,M3とは、簡単に説明すると下記となります。

 

M1:流通している現金通貨と預金通貨を合計したもの。

M2:M1に貯蓄預金(普通預金、定期預金の両方を含む)を加えたもの。

M3:M2に短期的な流動資産(国債、銀行引受手形、商業手形など)を加えたもの。

 

この通貨供給量の増加は、日本だけでなく世界中の国で行われています。いずれも新型コロナウィルス対策費用なのですが、結果として世界的にお金が沢山出回っていることになります。このお金が、株式市場に流れ込んでいるのです。

Money Supply M2 - Countries - List

 

2. インフレの懸念

お金が市場に沢山出回ると、物価が上がり、インフレになることが懸念されます。日本の場合は、輸入価格によって物価が決まることが多いので、原油価格の状況を見てみたいと思います。

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新型コロナウィルスの影響により、経済活動が停滞しているにもかかわらず、少しづつ原油価格が上がり始めています。これは、ワクチンにより経済活動の再開を予想してのことだと思いますが、市場に大量に放出された現金が、投資先を探して原油価格上昇につながっていると言えなくもありません。

ただし、金融緩和はこれまで日本銀行国債の買い取り、マイナス金利など色々とやってきましたが、結果的に大幅な物価上昇につながっていないのが現状です。したがって、市場に大量にお金が投入されたからといってすぐにインフレになるとは、考えにくい状況です。

 

3. どこまで続く株価上昇?

市場にお金が大量にあるため、急激な円高及び原油価格の上昇とならない限り、株式市場は、投資先を求めてしばらくは上昇を続けるのではないかと思います。もっとも一番大きい不確定要素は、新型コロナウィルスのワクチンです。これがもし効果を得られないとなった場合、市場にあるお金は、金など供給量が限られているもの、いわゆるインフレに強いものへと移っていくかもしれません。ビットコインも金と同じように供給量が決まっていますので、更に上昇するかもしれません。

 

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