新型コロナワクチンの製造に遅れが発生
新型コロナウィルスの撲滅に期待のかかるワクチンですが、PfizerとAstraZenecaのワクチン製造に遅延が発生しているようです。日本のメディアでは、あまり報道されていませんが、その状況について書いてみたいと思います。
1. ワクチン製造遅延の影響
2. Pfizerだけでなく、AstraZenecaも遅延?
3. 日本への影響
1. ワクチン製造遅延の影響
先週、Pfizerから新型コロナウィルスのワクチン供給を予定しているヨーロッパの国々とカナダが、ワクチンの供給が予定通り進んでいないと発表しています。
①ルーマニア:供給される予定の50%しか供給されなかった。
②ポーランド:先週176,000の供給を予定していたが、約50%しか供給されなかった。
③チェコ共和国:先週、15%供給量が落ち、今週は30%供給量が落ちる予定。
④デンマーク:供給量が落ちたことにより、第1四半期の予定していた接種割合が、10%下がる予定。
⑤イタリア:Pfizerに対して法的措置も検討と発表。
⑥ハンガリー:AstraZenecaとロシアのSputnik Vの利用を検討。
⑦スイス、カナダ:予定していて供給量の1/3。
ヨーロッパでは、既に接種が始まっており、2回目の接種に影響を及ぼすため、ヨーロッパの各国は、Pfizerに対して改善要望書を発行する予定のようです。
ではなぜ、供給量が落ちたかというと、Pfizerは、明確な回答を避けていますが、需要
と供給が追い付かず、生産体制を拡充する必要があるようです。また、単なるPfizerだけでの問題では無く、サプライヤーからの供給体制も影響しているようです。
2. Pfizerだけでなく、AstraZenecaも遅延?
Pfizerの発表に続き、AstraZenecaも生産の不調により、第1四半期のワクチン供給量が予定の60%になると発表しています。オーストリア政府は、200万回分の供給が60万回になるとAstraZenecaから報告があったとし、到底受け入れられるものではないと発表しています。
3. 日本への影響
日本は、Pfizer, AstraZenecaとModernaとワクチン供給契約を結んでいます。このうちAastraZenecaからは、3,000万回分の供給を2021年1月~3月の間に受ける予定と発表しています。また日本では、Pfizerのワクチンは、既に承認されており、Pfizerのワクチンが最初に利用される予定です。
自国でワクチン開発できていないので、海外勢の生産状況に依存することなりますが、供給が遅れると、東京オリンピックや経済の不透明感、株価など色々なところに影響が出てきそうな状況です。