Apple Carは、どこのメーカーが生産を請け負うのだろうか?
Appleが、自動運転のEVを2024年を目途に発売すると発表していますが、台湾メディアが、2年早い2021年9月にリリースされるのではと報道しています。
台湾メディアの報道によれば、台湾の製造業者は、Apple Car部品の量産の準備を進めており、Appleは密かに数十種類の試作品の電気自動車を米カリフォルニアで走らせているとのことです。
今回は、どこの自動車メーカーが生産委託を請け負うかを見てみたいと思います。
台湾メディアの報道はこちら
Apple Car加速 台鏈總動員 | 產業熱點 | 產業 | 經濟日報
1. 世界の電気自動車メーカーと販売台数
2. 日本の自動車メーカーが請け負う可能性
1. 世界の電気自動車生産メーカーと販売台数
アメリカのメディア「EV Sales」によると2020年の12月期と2020年の電気自動車の車種別販売台数は、下記のようです。
Teslaが、1位と4位に入り、日本勢は、日産自動車のLeafが7位。三菱自動車のOutlanderが、19位に入っています。続いてメーカー別を見てみたいと思います。
メーカー別になりますと、2019年は7位だった日産自動車が14位、2019年に10位だったトヨタは、17位となっています。代わりに存在感を表しているのが、中国メーカーとなります。3位の比亜迪自動車販売(BYD)、4位の上汽通用五菱汽車(SGMW)、10位の上海汽車集団(SAIC)、15位の広州汽車集団(GAC)、16位の長城汽車(GW)、18位の奇瑞汽車(Chery)、上海20位の蔚来汽車(NIO)。なんと上位20社の中に7社が入っています。
またヨーロッパ勢も軒並み販売台数を増加させています。2019年に6位だったVolkswagenは、2020年は、2位、Mercedesは、25位から6位、Renaultは、13位から7位、Volvoは、16位から8位、Audiは、21位から9位、またスポーツカーメーカーであるPorscheが、30位から19位となっており、中国、ヨーロッパでの電気自動車の導入が加速していることが分かります。
それにしても日本勢の存在感のなさが気になります。
2. 日本の自動車メーカーが請け負う可能性
一時期、Apple Carの生産について、韓国の現代自動車が提携との話が出ていましたが、現代自動車と傘下のKia Motors(起亜自動車)が、2021年2月8日に「我々はアップルと自動運転車の開発に関する協議をしていない」とのコメントを発表したことにより、頓挫したようです。
自動車メーカーによるApple Car製造のメリットは、工場稼働率が上がることにあります。またApple Carが売れようと売れまいと生産委託のため、赤字を気にする心配がないということもメリットとなります。しかしながら、iPhoneを生産している台湾の「フォックスコン」は、Appleが40%の粗利に対して、わずか1ケタ台となっており、利益率はかなり低いと思われます。
Razor-thin margins have strained Foxconn's relationship with Apple | AppleInsider
このような状況下の中で、自社の技術力、ブランド力、そして電気自動車の生産に自信がありそうなトヨタや日産自動車は、自社のEV販売に特化するのではないかと思います。スバルは、トヨタの傘下であり、スズキは軽自動車がメインなため、候補から外れるかと思います。また、ホンダやマツダは、上位20社の中にも入っていないので、生産能力という点で改善が必要かと思います。そうなると消去法で三菱自動車が浮上してきます。
三菱自動車は、Renaultと日産自動車とアライアンスを組んでいますので、この2社の意向に反することは出来なと思いますが、工場の稼働率向上を考えた場合、選択肢としてはあり得るかもしれません。
ただ三菱自動車のホームページを見ると北米での生産工場は売却しており、開発拠点しかないようです。そうなるとアメリカで工場建設を発表しているマツダとなるのでしょうか?いずれにしても暫く目が離せない感じです。
トヨタとマツダ、米新工場に880億円を追加投資: 日本経済新聞