どうなる ジャパンディスプレイ?
アップルが、2020年秋以降に発売する「iPhone12」から、全モデルで有機ELディスプレーが搭載される予定です。
「iPhone11」では、最上級モデルだけに有機ELを搭載しており、それ以外は、液晶ディスプレーとなっています。有機ELへの全面シフトにおける株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)の影響を見てみました。
- 株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)とは?
- アップルへの依存度
- 今後、どうなる?
1.株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)とは?
JDIは、最終的にソニー・東芝・日立製作所の中小型液晶ディスプレイ事業を統合した会社です。しかしながらそれまでに経営統合した会社を含めると、ソニー・東芝・日立・トヨタ・三洋・エプソン・パナソニックの一部・キヤノンとなり、文字通り日の丸連合のディスプレイ会社となります。主力商品は、スマホ向け小型液晶で高いシェアを持っています。
しかしながら設立当初から赤字続きでリストラが進まず、経営危機に陥っています。
2.アップルへの依存度
スマホ向け小型液晶で高いシェアを持っていることもあり、アップルへの依存度は、売上の60%を占めています。
3.今後どうなる?
「iPhone12」から、搭載される有機ELディスプレーの市場を見ると下記のようになっています。
韓国勢が、圧倒的なシェアを持っており、JDIの名前は、残念ながら見つけることが出来ません。有機ELをアップルに供給できないとなると、売上が消滅するわけで、新たな販路先もしくは、新たな商品を開発しない限り、苦境に立たされることになります。
直近で開示された決算報告書によると、設備投資から研究開発会社へ、センサーなどの商品を加え、医療機器やヘルスケア分野への進出を掲げています。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6740/tdnet/1855963/00.pdf
しかしながら研究開発費は、前年が103億円に対して、今年は98億円と増額を前向きに検討中と記載しているものの、予算は減らしているのが現状です。
また、ヘルスケア分野は、消費者市場と比べるとマーケットが小さいという弱点があります。更に、アップルへの売り上げをこの分野で短期で稼ぐことができるのか?といったことにも疑問が残ります。
総額、3,500億円ものお金が産業革新投資機構経由でJDIに投資されています。このお金は、我々の税金なので、なんとか頑張ってもらいたいものです。