プーチン大統領は、戦争犯罪者にならないのだろうか?
戦争が激化するウクライナとロシアですが、ヨーロッパ議会でロシアによるウクライナの侵攻が、規模しく非難され、SWIFTの停止など、制裁が科されたのは周知の事実かと思いますが、プーチン大統領に対して戦争犯罪者としての議論がされているようです。
Vladimir Putin, accused by the EPP of war crimes - Tylaz
国際刑事裁判所のKarim Khan氏が、ロシアによるウクライナ侵攻に関して人道的観点から戦争犯罪の調査を開始すると発表しました。
1.戦争犯罪とは
2.戦争犯罪に該当するかどうか
1.戦争犯罪とは
戦争犯罪とは、辞書で調べると下記のようです。
狭い意味の戦争犯罪は、「戦時犯罪」「戦時重罪」または「通常の戦争犯罪」ともいわれる。一方の交戦国の軍隊構成員または市民が相手交戦国に対してある種の行為を行ったとき、相手交戦国はこれを処罰することができる。この行為が通常の戦争犯罪である。その代表的なものは軍隊構成員による戦時国際法の違反である。たとえば禁止されている兵器を使用したり、捕虜を虐待したりすることはこれにあたる。そのほかに一般市民による敵対行為への参加も犯罪となる。特殊なものとしては間諜(かんちょう)(戦時のスパイ)、戦時反逆(占領地などで行われる敵国のための情報提供や破壊行動など)や剽盗(ひょうとう)(戦場をさまよい窃盗や略奪を行うこと)がある。これらの犯罪を犯した者を他方の交戦国が捕らえたときは、死刑を含む刑罰を科することができる。
2.戦争犯罪に該当するかどうか
今回、対象となるのは、「一般市民への敵対行為」という部分に当たるかどうかだと思いますが、Karim Khan氏は、ロシアが自己防衛主張したとしてもバカげている言い訳だとし、クラスター爆弾など禁止兵器の使用についても言及しています。
また、イギリスのジョンソン首相も戦争犯罪に該当するとプーチン大統領を非難しています。
これらを見ると人道的観点から戦争犯罪として告発できそうな気がします。
この戦争の悲惨さは、下記から写真で確認できます。
冷戦終結後、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷、ルワンダ国際戦犯法廷などにおいて、民族紛争に伴う大量虐殺など「人道に対する罪」を裁く国際犯罪法廷が安全保障理事会決議によって設置されました。その後、国際刑事裁判所規程が採択され、2002年7月から正式に発効されました。
しかしながらアメリカ、ロシア、中国は不参加となっています。従って、ロシア及びプーチン大統領を国際刑事裁判所で裁くのは難しいかもしれません。
現に2011年から続くシリアの内戦、既に10年が経過し、死者40万人、難民が600万人以上となっています。元々は、民主化運動のデモが、アサド大統領の弾圧により、内戦に発展しています。国連調査委員会もアサド大統領に対して戦争犯罪として糾弾されるべきと発言していますが、未だに逮捕もされず、裁かれてもいませんし、内戦も継続中です。
結局、国際的な枠組みは、形だけで実行力が乏しいのが現実なのかもしれません。とにかく早く戦争が終わることを祈ります。