BLACK LIVES MATTERに対抗するALL LIVES MATTERとは？
アメリカの人種差別問題で「BLACK LIVES MATTER」という言葉が使われているのは、ニュースを見て知っているかと思います。
その一方で、「ALL LIVES MATTER」という言葉が出てきているのですが、知っていますでしょうか？今回は、この「ALL LIVES MATTER」という言葉について書きたいと思います。
- BLACK LIVES MATTERとは？
- ALL LIVES MATTERとは？
1.BLACK LIVES MATTERとは？
BLACK LIVES MATTERとは、現在アメリカで抗議活動が行われている、ミネアポリスの警官による黒人の窒息死で産まれた言葉ではありません。
アメリカの人種差別問題は、ずーっと昔から存在していた問題です。黒人に対する暴力や人種差別の撤廃を訴える言葉となります。下記のようなサイトもあります。
黒人の人種差別に関する問題は、アメリカだけでなく、世界中で見られます。
2.ALL LIVES MATTERとは？
ALL LIVES MATTERとは、直訳して考えると、「全ての命が平等に大切」となりますが、背景を理解していないで利用すると人種差別主義者と思われてしまいます。
ALL LIVES MATTERとは、BLACK LIVES MATTERに対抗するスローガンとして白人至上主義者及び右寄りの保守派の中から生まれた言葉です。
白人至上主義者の間で「黒人が自分達の命に対する特別扱いを望んでいる」という考えに対して、「全ての命が平等に大切」という大義名分のスローガンとして掲げられたものです。警察が今までと同様に黒人を厳しく取り締まり、 白人優位の社会を保つ思想です。
上記のように警官の車にステッカーが貼ってあったり、BLMの上からALMを上書きされています。重要なのは、白人至上主義者がいるということです。
このALL LIVES MATTERという言葉は、今、出てきた言葉ではありません。実は、ヒラリー・クリントンが2015年に大統領選挙戦で利用し、非難を浴びています。
アメリカにおける、人種差別問題は、我々日本人が語るには、かなり難しい問題です。黒人だけでなく、アジア人に対する差別問題もあると思います。日本人に対して中国語で話しかけるのは、アメリカでは人種差別に該当します。しかしながら、我々が黒人を見て、どの国の人か判断するのが難しい様に、彼らも判断が難しいのだと思います。
私は、仕事の関係で南アフリカに2年間住んでいましたが、アフリカ人が、どの国の出身者なのか最初は全く分かりませんでした。また彼らにとってもアジア人は区別がつかなく、当時南アフリカには、アジア系は中国人が多かったので、中国人と99%の確率で間違われていました。
人種差別は、これまで大きな問題でしたが、今後も存在し続ける永遠の問題だと思います。
