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GrabとGo-Jekの合併交渉の裏にソフトバンクの影

東南アジア各国で配車サービスを展開するシンガポール系グラブ(Grab)とインドネシア系ゴジェック(Go-Jek)が、再び合併交渉を進めているとメディアで報じられています。

今回は、この合併の背景について記載してみたいと思います。

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1. Grabとは

2. Go-Jekとは

3.合併の背景及びソフトバンクの影

 

1.Grabとは

元々は、マレーシア発祥の企業ですが、現在は、本社をシンガポールに置く配車アプリ運営企業です。マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナムインドネシアミャンマーカンボジアで自家用車向けGrabCar、オートバイ向けGrabBike、相乗りサービスGrabHitch、配送サービスGrabExpressおよび決済サービスGrabPayなどを提供しています。

私も昔、マレーシア時代のGrabに何度か訪問したことがあります。当初は、ルノーのショウルームの後ろにあるプレハブのような建物だったのですが、その後、隣のオフィスビルに移り、急成長を目の当たりにしてきました。マレーシアのタクシーは、いちいち運転手と値段の交渉をしなければならなかったので、Grabの出現は、画期的だったと思います。

www.grab.com

2. Go-Jekとは

ジャカルタに本社を置く、インドネシアベンチャー企業です。ライドシェア(相乗り)と物流に注力し、「総合サービス業」のような業態を行っています。物品や書類をバイクで配送する宅配便サービス「GO-SEND」、書類より大きな物品をトラックで配送するサービス「GO-BOX」、料理を出前する「GO-FOOD」、買い物を代行する「GO-MART」など次々にサービスを開始し、サービスの決済を行うために決済サービス「GO-PAY」を提供し、GO-PAYを利用して税金や公共料金、保険料を支払う「GO-BILLS」、携帯電話料金の支払いサービス「GO-PULSA」なども展開しています。インドネシアの他、シンガポール、フィリピン、タイ、ベトナムで事業を展開しています。

www.gojek.com

 

3.合併の背景及びソフトバンクの影

両社とも新型コロナウィルスの影響により、人々の移動が制限された結果、業績が低迷しています。先日アメリカのUberが、業績低迷により、空飛ぶタクシー事業Elevate(エをJoby Aviatioに譲渡しました。また、Uberは、Sequioa CapitalとAmazonが出資する自動運転車のスタートアップ、Aurora Innovationに、自動運転部門Uber ATGを売却しています。Uber ATGにもソフトバンクは、出資していますが、GrabとGo-Jekにもソフトバンクもしくはソフトバンクグループが出資しています。

メディアによると、1月にソフトバンクの孫氏がインドネシアを訪問して以来、合併を推進してきたが、進展がないことに不満を募らせていたようです。合併後は、Grabの共同創業者であるAnthony Tanが統合事業体の最高経営責任者となり、Go-Jekの幹部はインドネシアでGo-Jekブランド下で新しい統合事業を運営、この合併は最終的には上場企業になることを目指しているようです。但し、どちらも東南アジアでサービスを展開していますので、独占禁止法上の懸念があります。

過去にUberがタイで撤退した後、Grabの料金が2倍くらいになったので、独占により、サービス料金の高止まりが懸念されます。また、今回の合併に関する背景には、Shopeeなどを運営する電子商取引、デジタル決済サービスを提供するSEA Groupの台頭があるようです。

www.seagroup.com

 

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