中国製、新型コロナウィルスワクチン
いよいよイギリスでは、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が12月8日から始まるのを前に、病院へのワクチンの搬入など、準備が急ピッチで進められているようです。日本は、同じワクチンを利用しますので、イギリスやアメリカのワクチン接種の状況を見ながらという感じで、2021年になる予定です。今回は、あまり情報の入ってこない中国製ワクチンについて記載したいと思います。
1. 中国製、新型コロナウィルスワクチン
2. 利用予定の国
1. 中国製、新型コロナウィルスワクチン
中国で最終段階に差し掛かっているのは、中国医薬集団(シノファーム)や科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)などのワクチンとなります。しかしながら中国は、感染を封じ込めていますので、治験は、パキスタン、サウジアラビア、ロシア、インドネシア、ブラジルで行われているようです。
ブラジルでは、被験者の1人が死亡し、「重篤な有害事象」が見られたとして、一旦、治験を停止しましたが、その後、ワクチンとは関係のない死因だったため、治験は再開されています。
欧米のワクチンは、ウイルスの遺伝子物質を利用した、新しいタイプのワクチンの開発を行っていますが、中国のワクチンは、不活化全粒子ウイルスにより人体の免疫反応を誘発する旧来の手法を利用しています。
簡単に説明すると、不活化ワクチンは、ウィルスを殺してバラバラにします。その後、免疫を付けるのに必要な部分だけを集めたものです。不活化ワクチンは、精製が簡単で短時間で済み、比較的安全性が高いという利点があるそうです。日常的に接種されているB型肝炎ワクチン、インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチンなどはすべて不活化ワクチンとのことです。欠点としては、ワクチンの接種量が多いこと、効果持続期間が短いことなどがあるようです。
欧米の手法に比べると歴史のあるワクチン生成方法のようですので、医療の発展していない発展途上国が注目しているのも、生成方法が関係しているかもしれません。
2. 利用予定の国
インドネシアは、中国製ワクチンの治験中でありますが、リスク分散をするために、イギリスのアストラゼネカおよびアメリカのノババックスともワクチン製造に関する同意書に署名をしています。
②フィリピン
ドゥテルテ大統領が、欧米のワクチンは、「前払金を要求している」として、中国またはロシアからのワクチンの購入を優先するとの意向を示しています。
中国製ワクチンを歓迎しており、WHOによって承認された中国製ワクチンを採用すると表明しています。
その他、正式な発表はありませんが、中国は、ワクチンが開発された際には、マレーシア、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーなどへ供給すると発表しています。
中国が、ワクチン外交を進める中で、日本も頑張って欲しいです。