カンボジアのITサービス
東南アジア、特にシンガポールはスタートアップの設立が盛んです。
英語圏なのと投資家が多いので資金集めがしやすいというのがあるかもしれません。
東南アジアのスタートアップは、シンガポールを中心に動いているといっても間違いないと思います。
一方で、カンボジアはというとシンガポール、ベトナム、タイと比較すると相対的に遅れています。その中でもFintech、所謂デジタルペイメントの分野は盛んです。
背景には、口座を持っていない人が、未だに多数いるということが影響しているかもしれません。
カンボジア発のFintech企業で有名な企業は、下記となります。
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Spean Luy
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Clik Payment
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Wing
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Pi Pay
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BanhJi
1.Spean Luy
Spean Luyは、ローン会社です。ローンをモバイルアプリから来店や申込書に記入することなく申込することが出来ます。
日本では既に何年も前に導入されている仕組みなので特に目新しさはないかもしれません。
またカンボジアでは、スマホでない携帯を持っている人も未だ沢山いますので、アプリだけだと対象顧客が限られるかもしれません。日本のSHOWCASEが出資しています。
2.Clik Payment
Clik Paymentは、所謂Payment Gatewayです。ロイヤリティープログラムを提供することも発表しています。
現在、中央銀行の承認待ちで2020年中頃にサービスを開始する予定です。
こちらも既にシンガポールやタイでは、QRコード決済を含め、Payment Gatewayが沢山ありますので、遅れている印象です。
3.Wing
Wingは所謂、送金業者です。
Western UnionやMoneyGramをイメージして頂ければいいかと思います。
Wingは、カンボジアでは至る所で見ることが出来ます。7,500以上の店舗を持っています。フランチャイズとしてWingの店舗を出すことが可能です。
送金だけでなく、QRコード決済や携帯電話の支払い・入金、請求書払い、給与支払いなど色々なサービスを展開しています。
カンボジアで最も成功しているFintech企業だと思います。
4.Pi Pay
Pi PayもPayment Gateway事業者です。
所謂プリペイドサービスで、Suicaのようにお金を入金してスマホで決済するサービスとなります。
2020年にSmartという携帯電話会社が提供しているSmartLuyと合併する予定になっています。合併するとSmartの顧客を取り込めることになりますので、メリットが大きいかもしれません。
現在、30万人のユーザーがいるようですが、カンボジアでプリペイドが流行るかどうかが、ポイントだと思います。
5.BanhJi
BanhJiは、クラウドベースの会計ソフトです。
1GBまでは無料となっており、1GBを超えるストレージが必要な場合は、課金される仕組みとなっています。AppleのiCloudと似たような課金体系です。
上記で紹介したWingと提携し、Wingの顧客を取り込もうとしています。
カンボジアの会計は、国際会計基準であるIFRSに準拠していますので、BanhJiがIFRSに対応できるようであれば、東南アジアでサービスを展開できる可能性が高いと思います。
他の東南アジアの国に比べると、まだまだカンボジアのIT化は遅れています。
Appleなどが中国依存から脱却し、ベトナムへの進出を検討している中でカンボジアのIT化の遅れが気になります。未だに繊維工場など、安価な労働力を売りにしているサービスが多いので、頑張ってもらいたいと思います。