コロナウィルス なぜ東南アジアで拡大しないか
コロナウィルスによる死者が、全世界で30万人に迫る勢いとなっています。
しかしなかがら死者のほとんどは、西ヨーロッパと北米に集中しています。東南アジアでなぜ、コロナウィルスが蔓延しないのか、カンボジアの政治家であり、経済学者であるSam Rainsyが興味あるレポートを出しています。
上記のように黄色と青では、死亡率が圧倒的に異なっています。
なぜ、東南アジアで拡大しないのかは下記理由だそうです。
- 気温
- 経済と人口統計との因果関係
- マラリアとの関係
- ヘモグロビンE
1.気温
コロナウィルスは、10℃~15℃の間が、一番活発に繁殖するようです。東南アジアの場合、気温が25℃~40℃であったためウィルスの活動が抑制されたようです。
2.経済と人口統計との因果関係
死者が多い国は、経済的に豊かな国が多いとしています。経済的に豊かな国は、高齢者が多く、肥満で疾患を持っている人が多いとされています。
現にコロナで死亡した人は、70才以上が多く、東南アジアは比較的若年層が多く、健康体の人が多いため感染拡大を防ぐことが出来たとしています。
3.マラリアとの関係
マラリアとコロナウィルスには、幾つか共通点がある様です。マラリアの原虫は、ヘモグロビンを破壊します。このヘモグロビンを破壊するという点において、マラリアとコロナウィルスには、共通点がある様です。ヘモグロビンについては、次項で解説します。
マラリアに対する免疫、つまりヘモグロビンを破壊させないという免疫が、コロナの拡大を防いだのではないかとしています。
抗マラリア薬であるヒドロキシクロロキンは、ヘモグロビンとの結合を防ぎ、ウィルスの侵入と増殖を防ぐ効果がありますが、アメリカで重傷患者に投与したところ、かえって死亡率が悪化した事例などがありますので、今後の研究結果を待つ必要がありそうです。
4.ヘモグロビンE
ヘモグロビンは、血液です。ヘモグロビンは、赤血球に含まれていて、鉄が含まれています。人間や動物の血が赤いのは、この鉄が含まれているからです。
コロナウィルスは、この鉄と結合し、毒素を発揮するそうです。鉄が、ウィスルに奪われてしまうとヘモグロビンは、鉄なしでは酸素と結合できず、酸素運搬能力が落ち、細胞や臓器は機能を発揮することが出来なくなります。更にウィルスと結合した鉄は、体のあちこちで炎症を起こします。
ヘモグロビンには、いくつか種類があり、東南アジアの人には、ヘモグロビンEが多いそうです。ヘモグロビンEは、一般的には異常ヘモグロビンの一種とされているようですが、ヘモグロビンEは、マラリアに対する防御機構の役割をしてているのではないかとされており、コロナウィルスについても、ヘモグロビンEが、ウィルス防御機構の役割を発揮しているのではないかとしています。
コロナに感染しないためには、ウィルスが赤血球に入り込まないようにすることが重要なようです。ビタミンC、D、亜鉛などで免疫力を高めておくことが重要なようです。